2010年7月29日木曜日

「誰がかまうもんか?! ラメッシ・バルセカールのユニークな教え」

『誰がかまうもんか?! ラメッシ・バルセカールのユニークな教え』という本を読みました。

かなり面白かったですが、彼の教えは要約すると「人は自由意志をもたない神の道具。だから何であれ、自分がしたいことをやりなさい。但しそれすらも自由意志ではないのだから、その結果をコントロールすることも出来ません」という、個人の「期待」を退けるものです。なので受け入れ難いと感じる人もいるかも知れません。どんなタイミングで読むかも大きく影響すると思います。
ちなみにここで言う神は一神教の神のことではなく、ラメッシは「意識」とか「源泉」という言葉を使っています。

読んでいて、私も最初はあまりに不自由で夢も希望もない教えのように感じたのですが、ページを捲るにつれ、この教えには良いところもあるな~とすぐに思いました。例えば、ラメッシの教えを受け入れると、

・「考えることには注意しなさい。何故ならそれが現実になるのだから」という恐怖から解放される。(そのかわり思考が現実化するという期待も捨てる必要があるけど)

・自分が、他人が何を言い、どんな行動をしようとも、それがどんな結果になっても、そのことで悩んだり気にする必要はなく、責任もない。何故ならこれも自由意志ではなく、神の意思だから(監督=神、の映画で個人はエゴという聖なる催眠のもと役を演じているだけ!)。またラメッシの教えも含めて、どんな人が語るどんな言葉も、真実ではなく、観念にすぎない。

ラメッシの教えを読んで私が最初に感じたのは、「じゃあ何もしないでずーっと寝て過ごして、親を泣かせて、ネガティブ・キングダムの女王になって、人を殺しても責任ないって事かしら!?」でした(爆)。
しかしそのように神にプログラミングされていない限り、そんなこと出来ないそうです。言われてみれば、そうですね・・・。ラメッシが言うには、エゴすら神の意思であり、そこからどれだけ解放されるかも、個人の努力次第ではなく神のプログラミング次第だそうです。

ラメッシの教えをどのように受けとめるかは、やはり読む時のその人の状況やタイミングなどにも強く影響を受けると思うし、合わないと感じる人もいると思うので、万人に薦める訳ではありません。


私も正直、この教えを読むと「どうにもならないってことか!?」と失望や怒りの気持ちに引っ張られてしまい、100%は受け入れ難いと感じる部分もあります(笑)。
破壊力があるので、この教えが全ての人を救うとも思えません。アマゾンのカスタマーでも評価がはっきり分かれていますよね。

しかしそれでも「これほど不自由なのにこれほど解放感のある教えには初めて触れたな」というのが、ラメッシの教えから私が感じたことです。
読み進むにつれ安心して自分の好きなものや好きなやり方を選択し(実際は選択の余地はないのだけど)、自分らしく(これも本当は自分の意思ではないのだけど!)今を楽しく生きればいいのだとよくわかるからです。

また、自力ではなく神の帰依からはじまるラメッシの教えは対人援助職に多いといわれる、自己責任感が強く真面目な人、思考が引き起こす罪悪感などのドラマに巻き込まれやすい人、つまり燃え尽きやすい完璧主義なタイプには救いになる部分もあるのではないかと思います。